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マスト細胞のTGF-b・PDGF産生を介した強皮症皮膚線維化および肺高血圧病態への関与

湯川宗之助1)、山岡邦宏1)、澤向範文1)、島尻正平2)、齋藤和義1)、田中良哉1)
1)産業医科大学医学部第一内科学講座
2)産業医科大学医学部第二病理学講座

背景・目的:

強皮症は皮膚および内臓諸臓器の線維化と末梢循環障害を主徴とする、依然原因不明の結合織疾患であるが、TGF-bやPDGFが病態形成において重要であるとされる。最近、マスト細胞はアレルギー疾患のみならず、自己免疫疾患の病態へも関与することが示唆されているが、強皮症の皮膚線維化や病態形成における関与は明らかでない。そこで、診断目的に行われた皮膚生検組織中のマスト細胞と個々の強皮症病態につき検討した。

方法:

強皮症群 54例、非強皮症群(膠原病) 29例、コントロール群 10例。皮膚組織のマスト細胞同定はトルイジンブルー染色を用いた。サイトカインはTGF-bとPDGFを免疫染色・蛍光染色を行い、NanoZoomer Digital Pathologyを用いて解析した。

結果:

強皮症患者の皮膚組織の真皮層においてマスト細胞の著明な増加を認め、た。皮膚組織におけるマスト細胞の絶対数は、コントロール群・非強皮症の膠原病疾患群と比較して、強皮症群では有意に増加していた。また、マスト細胞の細胞数と全身皮膚硬化スコアとの間に相関を認め、更に広汎性皮膚硬化型や抗Scl-70抗体陽性群で有意に増加し、皮膚硬化の病勢とマスト細胞の関与が示唆された。一方、臓器病変との関与については、肺高血圧(PAH)合併群でマスト細胞は有意に増加し、更に、PAHの病勢指標である平均肺動脈圧と推定収縮期肺動脈圧との間にも強い正の相関を認めた。この結果を元に、肺組織での検討を行ったところ、強皮症関連PAH肺組織には肺動脈周囲に多数のマスト細胞を認め、原発性肺高血圧症肺組織の肺動脈周囲マスト細胞と比較して多数存在していた。更に、免疫染色にて強皮症患者の皮膚組織の真皮層のマスト細胞のTGF-b1とPDGFの産生を認めたが、PAH肺組織の肺動脈周囲にの増加したマスト細胞からもTGF-b1とPDGFが産生されており、強皮症関連PAHとマスト細胞の関与が強く示唆された。

考案:

強皮症皮膚真皮層にはマスト細胞が増加しており、更には皮膚硬化やPAHの病勢にマスト細胞が関与していることが示唆された。また、今回の我々の結果はマスト細胞がTGF-b1とPDGFの線維化サイトカイン産生を介して、強皮症病態、特に皮膚線維化とPAHに関与していると考えられた。